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もう5年くらい前になるのですが 小学一年生の国語の教科書に絵を描きました。 光村図書 国語上巻の一番最初 「はる」 という 中川李枝子さんの詩です。 平成16年に検定があって たぶん17年から使われています。 この春 小学一年生になった子たちの多くも この教科書を使い始めたところだと思います。 (光村図書の教科書は 業界シェア No.1 か 2 らしいです) なので 毎年何人かの知り合いの子どもさんやお孫さんが小学校に入学して 「教科書 みたよ~」と 知らせてくれるわけで たいへんありがたく嬉しいのですが 今年はとくに 妹の友人の子どもが (私はその子に会ったことはないんですが 絵本などは よく観ていて 私の絵を知ってくれていたようです) 幼稚園に行くのが嫌いで 登園拒否をしていたくらいなので 小学校なんて通えるんだろうか…と周囲も心配していたそうなのです。 が 国語の教科書をひらいてみたら 知っている人の絵が載っていて なんとなく自慢でもあり どうやらとても心強く思ってくれたらしいのです。 それで 学校から意気揚々と帰ってきた と その子のお母さんから嬉しい報告をもらいました。 ところでこの画像 教科書をコピーしたので ノドのところがくわれちゃってますが ちょっと裏話を。 上の絵 朝 子どもたちが登校してくる前の教室ですが 当初 机や椅子が楽しげに踊っている絵だったのです。 編集者も「机や椅子やオルガンも みんなを待ってるよ!という感じでいきましょう」ということで いいものが出来たと思っていたのですが な なんと 検定で 「学校では机や椅子はきちんと整列させるように指導しているので この絵は望ましくない」 というお達しがあり 描きなおし・・・(心の教育って なんですか? え?え?え?)。 この仕事をすることになったとき 自分が小学校に入学した時のことをいろいろと思い出しました。 不安というより恐怖に近い気持ちでありました。 上級生たちは巨人のように大きく 校庭の池は底なし沼のように 思えたものです。 そんな中でも ちょっと一息つける ちょっとほわっとした気分になれる そういうもののひとつに この教科書の挿絵が なれたらいいなぁ と 考えながら描きました。 私が小一のときの国語の一番最初は 杉田豊さんの絵で 「あさ あさ あかるいあさ…」 でした。 そんなふうに 一生忘れなかったりするものでもあるので 責任重大とも思いましたが 以前 あるところで会った新一年生の女の子たちが 中川さんの詩をすらすらと暗唱しているので 「そのページの絵 私が描いたんだよ! ほら 小鳥さんがいたでしょ?」などと訊いてみたものの 「???」と 絵についてはまったく印象にない というふうでした。。。 まあ 現実はそういうものですね。 一度読んだら頭に残る言葉と いまいち印象の薄かった挿絵。 さすが ぐりとぐらを生んだ中川李枝子さんです。
by hyacinth-holiday
| 2008-04-14 05:50
| work 絵本とおはなし
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