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先月のことですが 私がCDジャケットの絵を描かせていただいている ハーモニカ奏者 夏樹君 のお招きで 夏樹君のご実家である 新潟は寺泊の 養泉寺に行ってきました。 養泉寺は 本堂でしばしばライブが開催されている「音楽の寺」。 ご住職も 夏樹君のごきょうだいも ミュージシャンです 。 今回は地元新潟と 普段活動している横浜と 両方のミュージシャンの方々が一緒になった 盛り沢山なライブ。 私は 最初はただのお客さんとして遊びに行こうと思っていましたが 出演ミュージシャンの一人 新潟の たっつぁん に 前回新潟を訪れたとき 「次回はぜひライブペインティングを」 と 言われていたのを思い出し また 大好きなミュージシャンの方々と一緒に何かしたい! という気持ちもあり ライブ会場のすみで絵を描かせてほしい と 夏樹君にお願いしました。 じつは ライブペイントは これが2回目です。 人が大勢いるところで 観られながら描くのは 私にはムリだ。 と ずっと思っていたのですが ブッチャーさんという絵描きさんが ライブペイントの愉しさをおしえてくれました。 ブッチャーさんは おもに神奈川のライブハウスに現れて 演奏中のミュージシャンをスケッチします。 彼を見るたび 「ほんとうに絵を描くのが好きなんだなぁ・・・描きたい衝動が溢れんばかりなんだなぁ」 と そんなに「描きたい気持ち」があることを ちょっと羨ましく思ったり 「でも 私は 音楽を聴きに来たときぐらいは手を動かしたくないし」と ちょっと醒めて眺めてみたり など していました。 それが 今年6月の夏樹君のレコ発ライブのとき いつものように絵を描きに現れたブッチャーさんが 私がジャケットの絵を描いた絵描きだと知ると 「じゃあ ぜひ一緒に描きましょうよ」と 小さめに切ったボール紙と木炭と白チョークを貸してくれました。 新しくできた友達におもちゃを貸してくれる子どものように うれしそうに。 「でもー私最近目の焦点が合うのに時間がかかって クロッキーができなくてー」 などと言いながら 尻込みしていると 「あ 写実じゃなくても イメージで ね♪」 と。 ああ そうか イメージ画でもいいんだよな。 ジャケットの絵を描いたときのように 音楽を聴いて思い浮かんだものを描けばいいんだよな。 ・・・そう思ったら もうあとは ステージで演奏する夏樹君ほか大好きなミュージシャンたちの 大好きな音が奏でられるのと一緒に つるつるっと手が動き それは 体の中に音が隅々まで行きわたって 通り抜けていくようで ただ聴いているだけよりも 音楽を味わいつくした感がありました。 で 「ライブペイント 愉しいじゃん」と なり 今回の養泉寺ライブでのペイント となったわけです。 これはリハーサル中の写真。 200人を超えるお客さんで 本堂はぎっしり埋まったので 廊下に紙を置いて 少し開けておいていただいた戸の隙間からステージを観ながら 描きました。 夏樹君のお母さんに 古新聞とバケツを借り お寺のお庭から紙を抑える石を何個か拾って来て・・・。 家に残っていた雲肌麻紙(120㎝×60㎝くらい)に 墨・胡粉・群青の三色で描きました。 群青を使おうと思ったのは お寺が海の近くだから というのと 夏樹君のハーモニカの音が 私にはなんとなく群青・ラピスラズリのイメージなのです。 演奏中 ときには声を合わせて歌いながら ときには手を止めて聴き入りながら あたたかく 懐かしい 大好きな音が 次々いろんな光景を思い浮かばせてくれて それをそのまま紙に描きうつして 1時間40分のライブを堪能しきりました。 ライブペインティングって 絵で表すライブレポートですね。 この絵は養泉寺に奉納させていただきました。 きっと大事に取っておいてくださるにちがいありません。 絵が魚の形なのは 寺泊の漁港の近くで炭火で焼いて売っている美味しそうな魚のことを 考えていたからかもしれません(いや ほとんどそうです)。 今回は天気が悪くて 食べ歩きができませんでした。 これは「またおいで」ということですね。 夏樹君 また呼んでくださいね。
by hyacinth-holiday
| 2011-12-06 15:00
| work 一枚モノ
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